第1章 民法 入門〜基本 頻出・条文つき

制限行為能力者

4タイプを比較表で完全整理。例外・催告・詐術まで、本試験で「解ける」レベルへ。

📖 このページでわかること

  1. 制限行為能力者とは何か、なぜ保護されるのか
  2. 4つのタイプ(未成年者・成年被後見人・被保佐人・被補助人)の違いと、各保護者の権利の完全比較
  3. 取消権者の範囲(120条)、取消し・追認・法定追認の効果、現存利益による返還
  4. 相手方を守る「催告」の場合分けと、取り消せなくなる「詐術」
  5. 後見・保佐・補助の開始審判と、本人同意が必要かどうかの横断整理
このテーマのゴールは「4タイプの違いを、保護者の権利まで含めて表で言えること」です。行政書士試験でほぼ毎年問われる最頻出テーマですから、急がず一段ずつ積み上げていきましょう。最後の催告・詐術・追認まで通すと、過去問の正誤はぐっと見えてきますよ。

1. 大前提:契約と「行為能力」

法律でいう契約とは、「お互いの“やります”という意思が合わさること」です。コンビニでジュースを買うのも立派な契約です。そして契約が成立すると、お互いに守る義務が生まれます。

ここで似た言葉を整理しておきましょう。混同すると後で苦しくなる、大事な区別です。

用語意味
権利能力権利・義務の主体になれる地位。生まれた瞬間からすべての人にある(3条1項)。
意思能力自分の行為の結果を理解できる判断力。これを欠く状態でした法律行為は無効(3条の2)。
行為能力契約などの法律行為を自分ひとりで完全に有効に行える能力。これが制限される人が今回の主役。

ふつうの大人は当然この行為能力を持っています。判断力がまだ十分でない人を保護するため、民法は一定の人について行為能力を「制限」し、その代わりに後ろ盾(保護者)を付けました。これが制限行為能力者です。

たとえ話:自転車の補助輪

判断力がまだ十分でない人もいます。自転車に乗りはじめのころは、転ばないように補助輪をつけますよね。それと同じで、民法は取引に不慣れな人が「不利な契約で転んで」しまわないよう、補助輪のような支えを用意しました。その支えの対象になる人が制限行為能力者です。じょうずに乗れる(=判断力が十分になる)と、補助輪は外れます。

2. 制限行為能力者は「4タイプ」

守られる人は、判断力の状態に応じて4つに分類されます。まず全体像をイラストでつかみましょう。左にいくほど判断力が弱く、手厚く保護されます。

未成年者 18歳未満 5条 成年被後見人 能力を欠く常況 7〜9条 被保佐人 著しく不十分 11〜13条 被補助人 不十分 15〜17条 ← 保護が手厚い 判断力が高い →
成年被後見人・被保佐人・被補助人は、家庭裁判所の審判によって決まります

未成年者は「年齢」という客観的な基準で当然に決まりますが、ほかの3タイプは家庭裁判所の審判があってはじめてその身分になります。この「審判で決まる」という点が、後で出てくる開始要件の話につながっていきます。

3. 【最重要】4タイプ完全比較表

このテーマの心臓部です。各タイプで「保護者は誰か」「保護者にどんな権利があるか」「どの範囲の行為を取り消せるか」を、横に並べて覚えます。この表が頭に入れば、過去問の正誤は8割方判断できます。

タイプ判断力の状態保護者保護者の権利取消しの対象
未成年者 18歳未満 親権者・
未成年後見人
同意権・代理権・
取消権・追認権
同意なしの行為
※下の3例外を除く
成年
被後見人
事理弁識能力を
欠く常況
成年後見人 代理権・取消権・追認権
(同意権なし)
原則すべて
同意があっても取消可/日用品の購入等を除く
被保佐人 著しく不十分 保佐人 同意権・取消権・追認権
代理権は付与の審判があれば
13条1項の
重要な行為
被補助人 不十分 補助人 審判で定めた
同意権・代理権
取消権・追認権も付与の範囲で
審判で定めた
特定の行為のみ

★暗記のコツ:「成年被後見人だけ同意権がない」「成年被後見人だけ同意があっても取り消せる」——この2つの“仲間外れ”を先に覚えると、表全体が整理できます。

なぜ成年被後見人には「同意権」がないの?

同意とは「その通りに行動してくれる」ことを前提にした制度です。でも成年被後見人は判断能力を欠く常況にあるため、同意どおりに行動できる保証がありません。だから「同意してもムダ」→ 同意権を置かず、同意があっても取り消せるとしたのです。理由から考えると忘れません。

4. 保護者の4つの権利を一枚で整理

保護者がもつ権利は、大きく次の4つです。それぞれの意味を先に押さえてから、「誰がどれを持つか」を比べると一気に整理できます。

保護者の権利同意権代理権取消権追認権
親権者・未成年後見人
成年後見人×
保佐人
付与の審判があれば
補助人
審判で定めた範囲

審判で定めた範囲

同意権の範囲で

同意権の範囲で

★読み方:未成年・成年後見の保護者は当然に代理権をもつのに対し、保佐・補助の保護者は審判で与えられないと代理権をもたないのが大きな違いです。保佐人・補助人は「まず同意権で支える人」とイメージしてください。

ひっかけ注意:保佐人は当然には代理人ではない

「被保佐人を代理して保佐人が契約できる」と言い切る肢は要注意です。保佐人は代理権付与の審判があってはじめて代理できます。何もなければ、保佐人は同意・取消し・追認はできても、勝手に代理はできません。補助人も同じ構造です。

5. 未成年者を深掘り:取り消せない「3つの例外」

未成年者の行為は原則「親の同意がなければ取り消せる」。ただし例外的に取り消せない(=有効に確定する)行為が3つあります。ここは超頻出のひっかけポイントです。

民法5条:①未成年者が法律行為をするには、原則として法定代理人の同意を得なければならない。②同意のない行為は取り消すことができる。但し、単に権利を得、又は義務を免れる行為は同意不要(1項但書)。③法定代理人が目的を定めて/定めないで処分を許した財産は、その範囲で自由に処分できる。
民法6条営業を許可された未成年者は、その営業に関しては成年者と同一の行為能力をもつ。
取り消せない例外具体例理由
① 単に得をするだけの行為負担のない贈与を受ける債務を免除してもらう損しないので守る必要なし
② 処分を許された財産お小遣い・お年玉の範囲での買い物あらかじめ「自由に使ってよい」と許可済み
③ 許可された営業の範囲営業許可を得た未成年者が、その商売のためにする取引一人前として扱う前提で許可された
ひっかけ注意

「負担付き贈与を受ける」「有償で物を買う」は①に当たりません(義務や負担が生じるから)。たとえば「借金を免除してもらうが、代わりに別の物を引き渡す」というように義務がセットになっていると①から外れます。また②も“許された範囲”を超える高額な買い物は取り消せます。「未成年者がもらった=必ず取り消せない」ではなく、負担の有無を見るのがコツです。

具体例で「単に権利を得る行為」を判定

・タダで自転車をもらう契約 → ○(単に得をする=取消し不可)
・「自転車をあげる代わりに毎月掃除をして」という負担付贈与 → ×(義務が生じる=取消し可)
・親に「この1万円は好きに使っていい」と渡されたお金で買い物 → ○(処分を許された財産=取消し不可)
同じ「もらう」でも、ひもが付いているかどうかで結論が反対になります。

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6. 成年被後見人を深掘り:開始審判と日用品の例外

成年被後見人は、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある人について、家庭裁判所の後見開始の審判がされた場合になります(7条)。本人・配偶者・四親等内の親族などが請求できます。

成年後見人には同意権がないため、本人がした行為は原則すべて取り消せます。ただし例外があります。

民法9条:成年被後見人の法律行為は取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない(=取り消せない)。
「日常生活に関する行為」だけは別格

食料品や日用品の買い物まで毎回取り消せるとなると、かえって本人がふつうに生活できなくなってしまいます。そこで、こうした日常生活に関する行為は取り消せないとしました。これは3タイプのうち成年被後見人にだけ条文で明記された例外です。

7. 被保佐人を深掘り:同意が必要な「重要な行為」

被保佐人は、精神上の障害により事理弁識能力が著しく不十分な人について、保佐開始の審判がされた場合です(11条)。日常の買い物などは自由にできますが、財産に大きく影響する「重要な行為」(13条1項)をするには、保佐人の同意が必要。同意なしにすると取り消せます。代表例はこれです。

覚え方:「大きいお金が動く=要同意」

13条の中身を丸暗記するのは大変です。ざっくり「家・借金・相続・裁判みたいな“人生の大ごと”は保佐人にひと声かける」とイメージすれば、知らない選択肢が出ても当たりをつけられます。逆に「日用品の購入」は同意不要、と対比で覚えましょう。

ひっかけ注意:同意に代わる許可

保佐人が、本人の利益を不当に害さないのに同意をしてくれないとき、本人は家庭裁判所に「同意に代わる許可」を求めることができます(13条3項)。保佐人の気分次第で本人が身動きできなくなるのを防ぐ仕組みです。「保佐人が同意しなければ本人は絶対に重要行為をできない」という肢は誤りになり得ます。

8. 被補助人を深掘り:本人の意思を尊重

被補助人は、事理弁識能力が不十分な人について補助開始の審判がされた場合です(15条1項)。4タイプでいちばん判断力があるぶん、保護も最小限です。特徴は次のとおり。

対比で覚える

「本人の同意が開始の要件」になっているのは補助だけです。後見・保佐の開始に本人同意は不要。ここは正誤問題で頻出です。「補助=本人の意思を一番大事にするタイプ」と覚えましょう。

9. 開始審判と「本人の同意」横断整理

「開始の審判」と「個別の権利を与える審判」で、本人の同意が要るかどうかを横断的に整理します。ここはまとめて表で押さえると失点しません。

審判の種類本人の同意
後見開始の審判不要
保佐開始の審判不要
保佐人への代理権付与の審判必要
補助開始の審判必要
補助人への同意権付与の審判必要
補助人への代理権付与の審判必要

★コツ:開始そのものに本人同意が要るのは補助だけ。ただし保佐・補助で「代理権を与える」場面では、本人が知らないところで代理されるのを防ぐため、いずれも本人の同意が必要になります。「代理権付与には本人同意が要る」とセットで覚えてください。

10. 取り消すとどうなる?「現存利益」だけ返せばOK

取消しをすると、契約ははじめからなかったことになります(遡及的無効・121条)。受け取った物やお金はお互い返す(原状回復)のが原則ですが、制限行為能力者には大きな保護があります。

民法121条の2第3項:制限行為能力者は、取り消した行為によって現に利益を受けている限度(現存利益)で返還すれば足りる。
具体例

未成年者が10万円を受け取り、5万円を生活費に使い、3万円は遊びで浪費、2万円が手元に残っているとします。取消し後に返すのは…
・生活費の5万円 → 本来出ていくお金が浮いた=利益が残っているので返す
・浪費した3万円 → 手元に残っていない=返さなくてよい
・残った2万円 → そのまま返す
つまり返すのは 7万円だけ。これが「現存利益」の考え方です。生活費は「本来払うはずだったお金が浮いた」ぶん利益として残っている、と考えるのがポイントです。

11. 「取り消せる」のはだれ?──取消権者(120条)

取り消せる行為でも、誰でも取り消せるわけではありません。取り消せる人(取消権者)は条文で限定されています。

民法120条1項:行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者(他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為では、その他の制限行為能力者を含む)・その代理人・承継人・同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。
本人自身も取り消せる

意外に思うかもしれませんが、制限行為能力者本人も取消権者です。しかも、取り消すこと自体は「単独で」できます。取消しは本人を守る行為なので、保護者の同意なしにできるのが筋だからです。「未成年者は単独では取り消せない」という肢は誤りになります。承継人(相続人など)や代理人、同意権者(保護者)も取り消せます。

ひっかけ注意:取引の相手方は取消権者ではない

だまされた・困っているのは相手方の方かもしれませんが、行為能力の制限による取消しは本人サイドを守る制度です。相手方は取り消せません。相手方ができるのは、このあと出てくる催告です。混同しないようにしましょう。

12. 追認と法定追認──取消権が消えるとき

取り消せる行為も、追認すれば「やっぱり有効」と確定し、もう取り消せなくなります(122条)。追認には、有効にできる時期の条件があります。

民法124条:追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅し、かつ取消権を有することを知った後でなければ、その効力を生じない。
ただし、法定代理人・保佐人・補助人が追認するときや、本人が法定代理人等の同意を得て追認するときは、状況が消滅していなくても追認できる。
具体例

未成年者がした契約を、本人が成年になってから(=取消原因の状況が消滅した後)「あれは有効でいい」と認めれば追認になります。一方、保護者(法定代理人)はいつでも追認できます。状況が消滅するのを待つ必要はありません。

さらに、はっきり「認める」と言わなくても、一定の行動をとると自動的に追認したものとみなされるのが法定追認です。

民法125条:追認できる時以後に、取り消すことができる行為について次の事実があったときは、追認したものとみなす(=もう取り消せない)。①全部または一部の履行、②履行の請求、③更改、④担保の供与、⑤取得した権利の全部または一部の譲渡、⑥強制執行
※ただし、異議をとどめたときは法定追認にならない。
ひっかけ注意:法定追認も「追認できる時」以後でないとダメ

法定追認とみなされるのは、追認できる状態(取消原因の消滅後など)になってからこれらの行為をした場合です。まだ未成年のうちに代金を払っても、それだけで法定追認にはなりません。また、②「履行の請求」は取消権者の側が相手に請求した場合であって、相手から請求された場合は含まない点も狙われます。

13. 相手方(お店)を守る制度

「いつ取り消されるか分からない」では、取引相手が気の毒です。そこで相手方にも防御手段があります。

(1) 催告権(20条)

相手方は「あの契約、認めますか?」と1ヶ月以上の期間を定めて催告できます。ポイントは「誰に催告したか」で、返事がないときの結論が変わることです。完全版で整理します。

催告の相手催告の中身確答がないとき
法定代理人・保佐人・補助人
(本人が能力者になった後はその本人)
「追認するか?」追認とみなす
(有効に確定)
被保佐人・被補助人 本人「保佐人・補助人の追認を得てこい取り消したものとみなす
未成年者・成年被後見人 本人催告そのものが無効
(効力を生じない)

★考え方:「自分ひとりで決められる人」が黙っている=OKしたとみなす。逆に、被保佐人・被補助人本人に「保護者の追認を得てこい」と催告して放置されたら、本人保護のため「取り消し」に倒します。
未成年者・成年被後見人本人は、そもそも催告を受け取って一人で判断する力が乏しいので、催告自体が無効になる、と整理してください。

(2) 詐術(21条)

民法21条:制限行為能力者が行為能力者であると信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない
だました人は守らない

未成年者が「自分は成人だ」とウソをついたり、偽造身分証を見せて相手を信じこませた場合は、もう取り消せません。保護に値しないからです。判例は、単に「黙っていた」だけでは詐術にあたらないが、他の言動と相まって相手を誤信させ、または誤信を強めたときは詐術にあたり得る、と判断しています。「制限行為能力者であることを単に黙秘していただけで常に詐術になる」という肢は誤りです。

14. 判断フローで総整理(未成年者の例)

未成年者がした契約 同意or例外 に当たる? はい 取消し不可 いいえ 詐術を 用いた? はい 取消し不可 いいえ 取消しOK!
「同意・例外」と「詐術」の2関門を抜けたものだけ取り消せる
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演習過去問チャレンジ(○×)

本試験レベルの正誤問題です。表を思い出しながら解いてみましょう。ひっかけも混ぜてあります。

Q1.成年被後見人が成年後見人の同意を得てした契約は、有効に確定し、取り消すことはできない。

正解は ×。成年被後見人は同意があっても取り消せます(成年後見人に同意権はない)。日用品の購入など日常生活に関する行為だけが取消し不可。最頻出のひっかけです。

Q2.未成年者が、負担のない贈与を受ける契約をした。法定代理人の同意がないので、これを取り消すことができる。

正解は ×。「単に権利を得る行為」(5条1項但書)なので取り消せません。損をしない=守る必要がない、という理屈です。

Q3.被保佐人が、保佐人の同意を得ずに自己所有の不動産を売却した。保佐人はこれを取り消すことができる。

正解は 。不動産の売却は13条1項の「重要な行為」。同意なしなら取り消せます

Q4.相手方が、すでに行為能力者となった本人に対し1ヶ月以上の期間を定めて追認するか催告したが、期間内に確答がなかった。この場合、追認したものとみなされる。

正解は 。単独で追認できる人が黙っていた場合は追認とみなされ、有効に確定します(20条)。

Q5.補助開始の審判は、本人以外の者の請求があれば、本人の同意がなくても行うことができる。

正解は ×補助開始の審判には本人の同意が必要です(15条2項)。後見・保佐の開始には本人同意は不要、という対比がポイント。

Q6.制限行為能力者本人は、自らがした行為を、保護者の同意を得なければ取り消すことができない。

正解は ×。本人も取消権者であり、取消し自体は単独でできます(120条1項)。取消しは本人を守る行為なので、同意は不要です。

Q7.未成年者が、自分が成年者であると黙っていただけで、相手方を誤信させたといえなくても、詐術にあたり取り消すことができなくなる。

正解は ×。判例上、単なる黙秘だけでは詐術になりません。他の言動と相まって相手を誤信させた場合に詐術となります(21条)。

Q8.取消しできる行為について、未成年のうちに本人が代金の一部を支払った場合、法定追認となり、もはや取り消すことができない。

正解は ×。法定追認は追認できる時(取消原因の消滅後など)以後の行為についてのみ生じます(125条)。まだ未成年のうちの履行では法定追認になりません。

暗記一問一答(クリックで答え)
成年年齢は何歳?(未成年者は何歳未満?)
A. 成年は18歳(2022年4月〜)。よって未成年者は18歳未満
4タイプのうち、保護者に「同意権がない」のは?
A. 成年被後見人(成年後見人)。だから同意があっても取り消せる。
成年被後見人でも取り消せない行為は?
A. 日用品の購入その他日常生活に関する行為(9条但書)。
未成年者が「取り消せない」3つの例外は?
A. ①単に権利を得・義務を免れる行為 ②処分を許された財産(お小遣い)の処分 ③許可された営業に関する行為。
保佐人・補助人は当然に代理権をもつ?
A. もたない。代理権付与の審判があってはじめて代理できる。未成年・成年後見の保護者は当然に代理権あり。
制限行為能力者が返すのはどの範囲?
A. 現存利益の限度(121条の2第3項)。浪費した分は返さなくてよい。
本人の同意が「開始の要件」になるのはどのタイプ?
A. 補助(補助開始の審判・15条2項)だけ。後見・保佐の開始は本人同意不要。
取消権者(120条)はだれ?
A. 制限行為能力者本人・その代理人・承継人・同意権者。本人も単独で取り消せる。相手方は含まれない。
追認はいつからできる?
A. 取消原因の状況が消滅し、取消権を知った後(124条)。ただし法定代理人等はいつでも追認できる。
制限行為能力者が詐術を用いるとどうなる?
A. その行為を取り消せなくなる(21条)。ただし単なる黙秘は詐術にあたらない。

📌 このページのまとめ

  • 制限行為能力者は4タイプ=未成年者・成年被後見人・被保佐人・被補助人
  • 成年被後見人だけ「同意権なし」=同意があっても取消可(日用品は除く)
  • 保護者の権利は同意権・代理権・取消権・追認権。保佐人・補助人は審判がないと代理権をもたない
  • 未成年者の取消し不可は3例外(単に得する/お小遣い/営業許可
  • 開始審判に本人同意が要るのは補助だけ。ただし代理権付与には保佐・補助とも本人同意が必要
  • 取消し後の返還は現存利益のみ。取消権者は本人・代理人・承継人・同意権者(120条)で本人も単独で取消可
  • 追認・法定追認で取消権は消える(122・125条)。相手方には催告権詐術なら取消し不可